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Vpon主催セミナー「デジタルファーストで進めるクールジャパン戦略」トークセッションをレポート!(後編)

Vpon主催のオンラインセミナー「日本を世界に発信!デジタルファーストで進めるクールジャパン戦略~アウトバウンド(海外展開)がインバウンド反転攻勢の鍵を握る~」(配信日:10月15日)にて、当機構がゲストとして登壇したトークセッション。

前編では、「アウトバウンド」も「インバウンド」も、データを活用・分析したうえでマーケティングを仕掛けることの重要性についてお伝えしました。後編では、いかにそれをデジタルで加速していくか、また、VponとBEENOSのソリューションをどう掛け合わせていくかについてお届けします。(内容は2020年10月現在、敬称略)

*前編はこちらをご覧ください。

変化の激しいこの時代に、マーケティングはデジタル無しでは語れない

篠原:先ほどBEENOSが私たちに出資頂いた理由に触れて頂きましたが、クールジャパン機構についてはいかがでしょうか。

佐野:当初は、日本のインバウンド事業者の方々が砂漠に水を撒くようなマーケティングではなく、より効果的・効率的なマーケティングが推進できるようサポートしてくれるような会社に投資したいと考えました。ただ、投資の検討過程で、インバウンド施策はアウトバウンド施策にもなることがよくわかりました。Vponはその両面で活用できるデータを持っています。また、変化の激しいこの時代に、マーケティングはデジタル無しでは語れません。Vponのサービスはこの時代にも合っていますし、官民ファンドとして重視する政策的意義の面からも非常によくマッチしたというのが出資の経緯です。

篠原:インバウンド事業者の方々が今できるのは、例えば過去の訪日旅行客の属性・行動履歴を分析し、次に訪日旅行客が戻ってくるタイミングで誰に何を売っていくかを考えること。もう一つはインバウンドの延長上で、アウトバウンドを進めることです。そのためにはデジタルが必要ですが、内閣府の資料でもこれまでの「クールジャパン戦略の課題」として、「デジタル化の遅れ」がフィーチャーされており、特に日本はそこが遅れていると言われています。

インバウンドとアウトバウンドの両面で活用できるVponのビッグデータ
(資料提供:Vpon JAPAN株式会社)

直井:日本がデジタル化で遅れているのは日本全体の共通認識です。篠原さんがおっしゃるようにインバウンドとアウトバウンドの両方の関係性を作ることを考えたときに、デジタルを持たないとお客様との接点を持ち続けるのは難しい。人やモノは接点を失った瞬間に、フッと冷めることがあります。お客様とコミュニケーションを取り続けることを考えると、やはりデジタルであることが大事なのだと思います。

佐野:デジタル化していくとPDCAが回しやすくなって、マーケティングの質もどんどん向上しますよね。

直井:「砂漠に水を撒く」とおっしゃいましたが、本当にその通りで、例えば中国を攻めていくと決めたときに、「じゃあ、具体的にどうするのか?」ということになる。その国のユーザー動向をきちんと把握したうえで具体的な戦略を練ることが可能になるということが、Vponの持っているデータの価値の一つだと思っています。

左から、BEENOS 直井さん、クールジャパン機構 佐野、Vpon 篠原さん

篠原:ただ、いくら良いデータがあっても、組織自体がDX化しないと何も生まれていきません。特に今組織の中にいらっしゃる方は、急にデジタルを活用したマーケティングに変えるのは難しいと思います。そこはやはりVponやBEENOSのようなデジタル化のためのテクノロジーを提供する側が変えていかないと、今回のテーマである「デジタルファースト型のクールジャパン戦略」の推進は難しいのかなと思っています。

直井:例えばいざ越境ECをやろうと言っても準備が大変で、そこにITや海外の複雑な決済なども絡んできます。そこで、私たちはまずはお客様のECサイトにバナーを一本貼って頂くでだけで海外対応できますよ、と言っています。やはり導入する事業者側も覚悟が必要と思いますし、提供する私たちもお客様が準備にできるだけコストと時間をかけずに海外に売れる状態にするという、双方向の努力が必要になってくると思います。

海外に売れる状態を作ったうえで、重要なのはそこから先のマーケティング

篠原: BEENOSや私たちが持っている一気通貫のソリューションを、噛み合うところは噛み合わせていきながら、クールジャパン機構のご支援の下、お客様のデジタル化を進めていければと思っています。直井さんは、ここは特にお互い良い価値を生めるのではないか、と思われるところはどんなところですか。

直井:BEENOSがお客様にご支援できるのは、先ほどからお伝えしている通り、できるだけコストと時間をかけずに海外に売れる状態にすること。一方で、そこから先はいかに発信してその魅力を広げていくかというマーケティングが重要です。その点、Vponは非常に使えるデータを持っています。両社が連携することにより、お客様のデジタル・マーケティングをより強くご支援していけると思っています。ただ、現状は海外でのプロモーション予算を持っていない企業がとても多いです。
例えば、K-popがなぜこんなに売れているかを考えたときに、確かに最初は仕掛けていますが、今やコンテンツは本物です。目線を世界に広げたので、世界に売れるコンテンツを作ろうと真剣なのです。まずは海外に出ていくという意思表示をし、海外に通用するものを作る、それを海外に喜んでもらえるものに進化させていく、これこそがマーケティングであり、日本全体の共通の課題なのかなと思います。

3社連携でのデジタル・マーケティング支援イメージ
(資料提供:Vpon JAPAN株式会社)

篠原:「プロモーション予算を持たない」というお話がありましたが、これまで自治体が多額の予算を使って素晴らしいPR動画を撮ったのに、全く見られないというケースもありました。今は多くの自治体が、予算配分を、例えば制作に3割、プロモーションに6割、効果検証に1割などで進めていらっしゃると聞きます。これはアウトバウンドにも同じことが言えて、せっかく良いものを作っても発信しなければ意味がありません。その部分で是非、BEENOSと連携してお客様をご支援していきたいと思っています。

前段左から、BEENOS 直井さん、クールジャパン機構 佐野、Vpon 篠原さん
後段左から、Vponへの投資を担当した同機構 投資戦略グループ
ヴァイスプレジデント 澤谷 賢一 、 アソシエイト 萱内 貴彦

篠原:最後に、今回視聴頂いているのは、多くがインバウンド事業者や自治体の方々で、今後アウトバウンドも含めてどう展開していこうかお考えの方々です。直井さん、佐野さんからメッセージを頂けますか。

直井:やはりアウトバウンドが伸びる兆しを感じています。元々この事業を始めたきっかけが、国内の市場が小さくなっていく中でアジアに目を向ければこんなにポジティブな時代はないと考えたことです。もしこのタイミングで接点を持たせて頂けるなら、Vponと共にアウトバウンドを一緒に考え、ご支援させて頂ければと思っています。

佐野:海外の方々が日本に来られない今だからこそアウトバウンドでアピールできるチャンスですし、そのためには必ずデジタル化が必要になるかと思います。是非、この機会にアウトバウンドの強化やデジタル化の準備を検討して頂ければと思います。

篠原:インバウンドもアウトバウンドも海外需要を開拓するという面では同じです。今はアウトバウンドを優先しつつ、インバウンド観光客は必ず戻ってくると思いますので、そのときは大きな消費を生んで頂くために、国・地域ごとに正しいマーケティングをして見定めることが大事かと思います。官も民も一緒になってクールジャパン戦略を推進していければと思っています。本日はありがとうございました。

*VponとBEENOSは、本件収録・配信後の10月28日、共同でのクロスボーダー分野におけるデジタルソリューションの提供開始について発表しています。(プレスリリースはこちら

<終わりに…>
トークセッション終了後、クールジャパン機構からの出資について、Vpon 篠原さんのコメントを頂きました。

「期待して頂いていることがありがたいのと同時にプレッシャーでもあります。事業の成長でお返しするとともに、クールジャパンという政策を官民一体となって進めることに貢献したいと思っています。一民間事業者としてやれることは限りがあるかもしれませんが、デジタルプラットフォーマーとしてお役にたてることが必ずあるのではないかと思っています。 」

左から、Vpon 篠原さん、
Vponへの投資を担当しているクールジャパン機構 投資戦略グループ 澤谷、萱内

(終わり)

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