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KKday、Vpon共催ウェビナー「地域観光の高付加価値化セミナー」をレポート!(後編)

 KKdayとVponが共催するウェビナー「地域観光の高付加価値化セミナー」(配信日:11月25日)にて、当機構がゲストとして登壇したトークセッション。前編ではVponの鮎澤さんから「高付加価値化に対しては、潜在顧客のセグメンテーションとセグメントの中のターゲット設定が重要」ということをお伝えしました。後編では、KKdayの深井さんから「旅行者の価値観変化をとらえた今やるべき高付加価値化への第一歩」について、そして視聴者への質疑応答も交えたお二人のトークセッションをお届けします。(内容は2021年12月現在、敬称略)
前編はこちらをご覧ください。

セッション2「今やるべき高付加価値化の第一歩」

KKdayグループ 日本支社 統括責任者 深井 洋平さん

深井さん

 みなさんに今すぐ動いてみようと思っていただけるヒントをお届けできたらうれしいです。実際にKKdayが持っている台湾を中心としたアジアでの販売データをご覧いただきながら、コロナ禍での外国人の方々の価値観がどう変化しているのか、そして変化する価値観をとらえた商品づくりをしている事業者さんの成功事例をご紹介したいと思います。

 これはKKdayの台湾人顧客が日本の商品をどれだけ見たかというグラフです。日本商材へのセッション数は2020年末までどんどん下がっていきましたが、2021年になってから徐々に右肩上がりになってきています。まだ商品自体が売れているわけではありませんが、確実に関心が向いてきていて、情報収集をすでに始めていることが明確にわかります。今のうちからしっかり準備をして、なるべく早いタイミングでできる限りの情報露出をして、リバウンドしてきたタイミングの初動をとれるようにしていくことが大切です。
 
 次にKKdayで台湾人が買った台湾国内のツアートップ20を2019年と2021年で比較してみました。ここから読み取れる旅行需要の変化、ファインディングスは、3つあります。まず一つ目は「観光スポット巡り→体験」です。観光から体験へという価値観変化が起きています。2019年はトップ20のうち体験を明示した商品は2つしかありませんでした。2021年になるとほぼ半分の商品が体験を明確に明示したものがトップ20に入ってきています。モノ消費からコト消費へと言われている通り、確実に体験の価値がコロナ禍でも高まってきています。日本においても、コロナ前の日本商材の多くが有名観光スポットの押し出しだったが、今後withコロナ時代に向けては、体験価値を明確にした商材が売れるようになってくるとデータが示しているように考えています。要するに立地ではなくアイデアで勝つ時代になっていくのかと思います。

 次の台湾人の価値観変化は「身近の定番→離れた秘境」ということが言えます。こちらの表はどの地域に行くツアーが売れているかトップ30から上位を抜粋したランキングです。
 2019年の1位は台北・新竹エリアで6商品ありました。2021年になると台北・新竹など都市圏の商品数は減少しランキングを下げています。一方都市圏ではない比較的田舎の商品が軒並み売り上げを伸ばしています。日本でも地域に足が伸びていくと断言はできませんが、私の体感でいうと、台湾人はとても日本が好きで人口2300万人のうち年間で1/6の400万人が日本に遊びに行くという人たちです。一年間に何度も訪日する人たちも多いです。定番の場所には行きつくしたので、もっと面白い地域はないかとまだ体験したことのないものを求めるようになってきています。

 3つ目は「ニーズの多様化」です。売れ筋ランキングトップ10が占めるシェアです。KKdayで台湾人が買える商品は約1000商品あります。2019年はトップ10が半分以上55.8%を占めていました。これが2021年になりますと、トップ10のシェアが約1/3程度38.6%に減りました。この違いはお客様の目がいろいろな体験ものに広がっていてニーズが多様化していることを示しています。

 さて、このように価値観の変化をうまく捉えた高付加価値化の成功事例も数多く生まれてきています。これらは、①「+(ちょっと)の体験」、②非観光地の観光資源化、③体験価値の再定義、といった分類をすることができます。

①大自然を楽しむキャンプに、ヨガやマッサージをちょっとプラスした体験価値を上げていくことで、付加価値、単価も上げていく。アイデアの質より実行力が大事です。

②台湾を代表するホテル圓山大飯店では戦時中の地下トンネルを宿泊者限定で公開したところ台湾で大ブームになりました。「裏側」を観光資源にするアプローチでは、動物園、水族館などの「バックヤードツアー」や「ナイトツアー」もあります。これまでは見せていなかったものがユーザー側の特別感になっていきます。

③ソウルに乱立していた韓国の民族衣装で写真撮影してくれる文化体験を、プロのメイクで「人生最高の証明写真を撮る」サービスにシフトしてみたら、これが韓国でのヒット商品に育っていきました。新しいビジネスを始めなくても、ちょっと違う角度から捉えなおしてみることが体験価値の再定義につながることもあります。


~トークセッション~

 事前にいただいていた質問に鮎澤さんと深井さんにお答えいただきました。

質問①「withコロナのインバウンド誘客において気をつけることは?」

鮎澤さん:Vponではコロナ禍の期間に、過去のインバウンド施策を調査しました。日本のインバウンドは2014年頃から2019年まで登り調子だったため、実は振り返りができていない自治体もかなり多いようです。今のうちに周遊ルートや集客をした場所などインバウンドの実態を一度振り返っておくことも大切ではないでしょうか。

深井さん:コロナ対策は重要ですが、それが意思決定の主要因になるとは考えていません。最低限のコロナ対策をやっているというアピールは、需要の下支えにはなりますので、しっかり実施して情報発信すべきですが、それだけでは差別化にはなりません。それよりも、セッションでお伝えした、「価値観変化を捉えた魅力の磨き上げ」に力を注ぐべきだと感じています。

鮎澤さん:コロナ対応は、必須条件として定着しています。コロナ対応は当然の対策として捉えて、さらにコロナの「不具合」を感じさせないコンテンツの磨き上げが求められているのだと思います。


質問②「地域性の高いコンテンツの売り方は?」

深井さん:ひとつの事業者さんがどれだけ魅力があったとしても単体での発信ではなかなか届きませんので、自治体・DMOが先導し、地域全体としての魅力を面で見せていく発信が必要になります。

鮎澤さん:深井社長がお話しされていたなかで、「潮流として売上トップ10の旅行商品が取り扱い全体の半数シェアを占める状況から、ローカルサイド、地域性の高いものを選ぶ傾向にはなってきているー」このデータは地方地域にとっても非常にチャンスだと思います。

深井さん:実際、台湾人をはじめとした日本好きな層は、定番ではない日本の魅力を求めています。観光の定番スポットではない地方は、コロナ明けに大きなチャンスが訪れるのではないでしょうか。


質問③「コンテンツの見せ方において大事なことは?」(澤谷さんから)

深井さん:OTAで売っていくなら次の3点です。まずは「写真3枚」。これが面白そうでなければユーザーは先に進んでくれません。しっかりきれいに写真が撮れているかが重要です。次に「最初の2行の文章」です。検索で出てくる2行が面白そうでないとやはりユーザーは先には進んでくれません。最初の2行に魅力を詰め込むことが大切です。そして、「いい口コミを集める」こと。とはいえ、すべていい口コミだけにはなりません。悪い口コミがあったときでも、それに対してもきちんとフォローをしておくことも重要です。

鮎澤さん:情報発信は、動画が主流になっていますが、実際、動画広告で溢れていますので、6秒以上は見られないと言われています。最初の数秒の作り込みでぐっと心を掴むことが大切ではないでしょうか。


質問④「予算100万円、どうしたらいいのか?」

深井さん:KKdayなら100万円でも、10万円でもできることはあります。KKdayは伴走型事業ですので、われわれのプラットフォームを活用して事業者のみなさんの商品が売れるようになれば、われわれにも手数料収入が入るモデルです。KKdayもアクティビティジャパンも掲載自体は無料ですし、rezioシステムも導入費はゼロ、月額プランもかなりミニマムで始めることもできます。

鮎澤さん:KKday社のクリエイティブは、業界でも非常に美しいと評判ですよね。KKday社クリエーティブとVponのターゲット広告を組み合わせればよりよい施策ができると思います。

(終わり)

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